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営業の名を借りた「支配」と搾取

  • 荒井 哲也
  • 6月19日
  • 読了時間: 3分

この記事に登場する女性の言葉は、単なる「金銭トラブル」や「遊興費の自己責任」では片づけられない、心理的な依存・洗脳の恐ろしさを物語っています。


● 「恋愛感情の悪用」=精神的支配の構図

  • 好かれたい → 喜ばせたい → お金を使う → 借金 → 風俗へ

  • この連鎖は、自尊心や正常な判断力を奪い、自己否定と依存を加速させる。

  • これは単なる「営業トーク」ではなく、恋愛感情を利用した構造的な搾取です。


● 「売掛金」の裏にある実態

  • 高額な飲食代をツケ払いさせ、支払えなくなると「稼げる場所」として性風俗やAV出演を“斡旋”。

  • これは実質的に人身売買や強要罪に近く、犯罪的構造といえます。


このような現実が、実際に組織的にマニュアル化されていたという事実は、衝撃的です。



【行政書士の立場からのアドバイス】


行政書士は風営法関連の許認可や変更届などを扱う専門職として、違法な営業行為を未然に防ぐ立場でもあります。以下、関連事業者や業界関係者に向けた具体的なアドバイスです。


① 営業許可取得時・更新時における指導強化

  • 新規申請時には、営業内容・接客方針・売掛管理体制の明示を求める。

  • 必要に応じて「接客マニュアルの確認」「売掛管理表の提示」など、倫理的基準のチェックを行政書士として提案可能。

  • 風営法第13条(営業の方法)に抵触する行為を未然に抑制。


② 改正風営法への完全な準拠

  • 令和6年の改正風営法により、以下の行為は明確に禁止:

    • 色恋営業(恋愛感情に訴えて高額な飲食を促す)

    • 売掛金回収のための風俗紹介・AV斡旋

    • 性風俗店等からのリベート受け取り

→ これらは「営業停止・許可取消」「最大3億円の罰金」という強力な制裁対象。

→ 許可取得者および法人役員に対する「欠格事由」該当の可能性があるため、非常に重大。


③ ホストクラブ・接客業種への契約書・同意書の整備支援

  • 「売掛発生時の返済義務の明示」「収入状況の確認」「返済不能時の対応」など、

    • 違法性を回避しつつ健全な契約書を整備するための支援が可能。

  • 「恋愛感情に基づく営業」が含まれていないことの文書化も重要。

→ 行政書士は、トラブル時の証拠として機能する事前同意書・リスク告知書などの整備を支援できる。


悪質ホスト営業は「違法と知らずに加担してしまう経営者」や「風営法の曖昧な理解」によって放置されてきた部分もあります。行政書士ができることは以下の3つです:

  1. 法令順守の指導と許可取得の正当化

  2. 事前契約や業務運用に関する文書整備の支援

  3. 健全な事業者の差別化と信用担保に貢献


    このような被害が繰り返されないために重要なのは、被害者保護だけでなく、業界の構造そのものの透明化と規律の確立です。行政書士としては、単なる「許認可代行」だけでなく、社会的責任を伴う営業法令の番人としての意識を強く持ちたいところです。

    何よりも、「稼げる場所を紹介する」ような歪んだ関係が営業の中に存在してはなりません。真に健全な風俗営業とは、自由意思・法的適正・倫理的安心の3つが揃ってはじめて成立します。



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