15日夜に実施した東京・歌舞伎町(新宿区)のホストクラブなどを対象とした一斉立ち入りについて、警視庁保安課は19日、調査した202店のうち、7割を超える145店で風営法に違反する行為が確認されたと公表した。大半が値段を明示しないで酒類を販売する料金表示義務違反だった。警視庁は今後、違反の確認された店舗の経営者に説明を求める。悪質性が高いと判断すれば、行政指導や処分に踏み切る。
保安課によると、立ち入りの対象は、ホストクラブや、男性従業員の接客する「メンズコンセプトカフェ」の計347店。15日午後7時から深夜にかけ、営業していた202店を調査して145店で161件の違反を確認した。
ホストクラブでは、調査した176店のうち132店で、値段を明示しないで高級酒のボトルや「シャンパンタワー」などを販売していた。「TAX(税)35%」などとあいまいな表示で、料金を上乗せする店もあったという。保安課はこういった料金設定も、女性客らに支払い能力を超えた高額請求をする温床となっているとみている。
ホストらの年齢を確認しないなどの従業員名簿の不備も10店であった。未成年客の飲酒トラブルなどが問題となっているコンセプトカフェでは、11店が接待禁止の営業形態にもかかわらず、カウンター越しに客と談笑するなどの無許可営業をしていたという。
ホストクラブを巡っては、ツケ払いの「売掛金」の返済のため、女性客が性風俗店で働いたり、路上で売春したりするケースも確認され社会問題になっている。保安課は「今回の立ち入りで、ホストクラブやコンセプトカフェの実態が明らかになってきた。健全営業に向け、引き続き指導していく」としている。
また、警察庁は11月16日、悪質なホストクラブなどへの取り締まりを強化するよう全国の警察に通達を出した。通達以降、警視庁のほか、北海道、愛知、大阪、福岡など少なくとも16都道府県警がホストクラブなどへの立ち入りを実施し、料金表示義務違反や従業員名簿の不備に加え、18歳未満の入店禁止の表示が適切にされていないなどの風営法違反行為を確認したという。
通達では、「闇バイト」などネット交流サービス(SNS)を通じた緩やかな結びつきで離合集散を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ」が背後で不当に利益を得ている可能性も視野に入れるよう指示した。松村祥史・国家公安委員長は19日の閣議後記者会見で「今後も引き続き、違法行為に対する捜査をはじめ、風営法の順守の徹底など関係機関と連携して、各種対策が強力に推進されるよう警察を指導したい」と述べた。【加藤昌平、松本惇】
頂き女子りりちゃん、闇バイト、トー横など、歌舞伎町などの繁華街を中心とした水商売絡みの問題が2023年は多く摘発された年でした。
開業申請のリスクも摘発件数に応じて高く、厳しくなる傾向があります。安全に経営いただくためにはしっかりとしたリサーチとサポートが必要です。
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