メンズエステ経営 富山大学准教授など3人 風営法違反で起訴
- 荒井 哲也
- 6月18日
- 読了時間: 4分
ことし1月から今月にかけて、富山市のマンションで「メンズエステ」と称して女性従業員に性的なサービスをさせたとして、店の代表や富山大学の准教授など3人が、風営法違反の罪で起訴されました。
起訴されたのは、富山市の「富山メンズエステKOMOREBI」の代表、宮崎稔之被告(39)と、経営に関わっていた会社員の河野竜三被告(38)、それにホームページの管理などを担当していた、富山大学の准教授、滝谷弘被告(49)の3人です。
起訴状などによりますと、3人は、ことし1月から今月にかけて3回に渡って、風俗店の営業が禁止されている地域にある富山市内のマンションの個室で、女性従業員に男性客への性的サービスをさせたとして、風営法違反の罪に問われています。
検察は3人の認否を明らかにしていませんが、捜査関係者によりますと、逮捕後の調べに対して、准教授は今回の容疑を認め、店の代表は一部否認し、会社員は否認していたということです。
准教授の起訴を受けて富山大学は「情報収集中なので、現時点でコメントできることはありません。事実確認をしたうえで、職員の処分は規則にのっとり適正な対応をしていきます」としています。
また、准教授が担当していた情報処理の講義については、別の教員が代わりに行っているということです。
◉ 「メンズエステ」と「風営法違反」のグレーゾーン
いわゆる「メンズエステ」は、リラクゼーションサービスと性的サービスの線引きが曖昧な領域として、全国的に問題視されてきました。多くの店舗が「回春マッサージ」「リンパマッサージ」などの名目で営業していますが、実際は風俗営業に該当する内容を含むケースが少なくありません。
この事件では、まさにその構造が顕在化し、風俗営業の許可を取らずに禁止地域で違法に営業していた点が問題の核心です。
◉ 准教授の関与の衝撃
大学准教授という公的立場にある人間が、「裏方」とはいえこうした違法営業に関与していたことは、社会的にも道徳的にも大きな問題です。特に、情報処理やIT関連の知識を悪用していた可能性があるため、再発防止には大学や研究機関のモラル教育、情報倫理の徹底が求められます。
■ 行政書士の立場からのアドバイス(風営法専門対応)
行政書士として、風営法や関連制度に詳しい立場から、以下の点を助言として挙げます。
◆ 1. 「メンズエステ」は風営法の適用対象となり得る
リラクゼーションを名乗っていても、性的な接触(下半身へのマッサージ、密着行為等)があれば「風俗第1号営業(性的サービス型)」に該当する。
一般的な「リラクゼーション」「エステ」ではなく、「ヌキ」や「回春」などのワードを使った時点で風営法の対象となる可能性が高い。
✅ 助言: 営業前に「サービス内容」と「店舗立地」を行政書士に事前相談すべき。
◆ 2. 営業区域の制限を知らなかったでは済まされない
風営法では、営業できる区域(許可地域)と営業禁止区域(住居専用地域など)が都市計画で厳密に決まっている。
今回のようにマンションの一室を使って風俗行為を提供する場合、ほぼ確実に違法になる。
賃貸契約上も、風俗営業は禁止されているのが一般的(契約違反にも該当)。
✅ 助言: 営業場所選定時には「用途地域」や「近隣住民への影響」まで行政書士が調査・助言すべき。
◆ 3. ホームページや広告にも注意が必要
ネット広告・HPの文言が、風俗的な表現(隠語、画像、性的アピール)を含む場合、行政指導や警察の監視対象になりうる。
今回の事件では准教授がHP管理をしていたとのことだが、情報技術者であっても「風営法の対象業種に関する知識」が欠如していれば違法に加担してしまう。
✅ 助言: 風俗営業に関連するWeb制作や管理も、法律的な理解を持つ専門家と連携すべき。
■ 総合的なコメント
この事件は、
一般的に“合法ギリギリ”とみなされていた「メンズエステ業界」の問題点、
教育機関に関わる人間による法令軽視の実態、
そして「風営法の必要性と限界」を如実に浮き彫りにしました。
行政書士の立場としては、事業者が法律を軽視・無知のまま開業することのリスクを日々実感しています。風営法の申請は煩雑であるため、自己判断や“なんとなく合法”の状態で営業を開始するのは非常に危険です。
■ 結論
「知らなかった」「うちはエステだから」は通用しません。法的リスク、営業停止、前科の付与、そして社会的信用の失墜――それらを防ぐには、開業前からプロ(行政書士)に相談することが唯一の安全策です。
風営法は、「性」と「社会秩序」の間にある非常に繊細な法律です。一線を越えれば、すぐに犯罪になります。
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