ネットカフェで「闇スロ」営業し賭博 風営法違反の疑いで3人逮捕
- 荒井 哲也
- 6月17日
- 読了時間: 3分
那覇市松山や北谷町北前のインターネットカフェ内で、県公安委員会の許可を受けずに通称「闇スロ」と呼ばれる遊技場を営業し、不特定多数の客と常習的に金銭を賭けた賭博をしたとして、県警は12日までに、風営法違反(無許可営業)と常習賭博の容疑で那覇市の会社経営(50)ら男3人を逮捕した。延べ数で計約2万2千人の客が利用し、逮捕時点で少なくとも約1億3500万円の売り上げが確認されている。
この男は5月に同容疑で逮捕されていた。ほかに逮捕されたのは、那覇市の自営業の男(41)と、南城市の無職の男(39)。会社経営の男と自営業の男は6月11日付で那覇地検に起訴された。那覇署と沖縄署、県警生活保安課の合同捜査による。県警は捜査に支障があるとして、いずれの認否も明らかにしていない。
逮捕容疑は、会社経営の男と無職の男は2023年11月から、自営業の男は24年2月ごろから25年2月にかけて、無許可で風俗営業を営み、客を相手に賭博をした疑い。
◆ 「闇スロ」はなぜ違法か?
スロットマシンの設置と運用には「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)」に基づく公安委員会の許可が必要。
さらに、賭博行為は**刑法第185条および第186条(賭博罪・常習賭博罪)**に違反。
つまり、「無許可営業」×「金銭賭博」という二重の違法行為。
◆ インターネットカフェを偽装利用
闇スロは、風俗業を装わない形で運営されることが多い。今回のように、ネットカフェやゲームスペース、倉庫などを偽装して営業する手法が典型。
一見、合法施設に見えるため摘発が難しく、長期にわたる潜伏営業が可能となる。
■ 感想・所感
この事件は、表面的には一部の反社会的経済活動に見えるかもしれませんが、実態は「風営法の枠組みを巧妙にすり抜ける新型違法ビジネス」の一例です。
◉ 社会的リスクと影響
利用者は若年層から高齢者まで幅広く、ギャンブル依存症リスクも高い。
売上は1億円超とされ、反社会的勢力の資金源になっている可能性も否定できない。
表に出てこない「闇市場」が形成されており、納税逃れや労働搾取の温床となる。
◉ なぜ長期間摘発されなかったのか?
インターネットカフェという“偽装”が巧妙だったこと。
顧客管理を緻密に行わず、不特定多数を受け入れ、匿名性を保ったこと。
闇スロは機械の仕組みも改造されており、警察による技術的追跡も難しくなる傾向がある。
■ 今後の対策と課題
課題 | 対策例 |
偽装営業の摘発強化 | 不定期立ち入り、匿名通報制度の活用 |
闇スロ機器の流通規制 | スロット・パチスロ筐体の売買・改造を厳しく規制 |
利用者側への啓発 | 賭博行為の違法性をより明確に伝える社会キャンペーン |
組織的犯罪の解明 | 売上の流れや背後の組織にまで捜査を拡大すべき |
地方自治体の監視力強化 | 地域密着の見回り体制・条例による補完も有効 |
■ 結論
この事件は、技術や設備の進化に伴って生まれた「見えにくい違法ギャンブル」の象徴です。店舗や機材の匿名性、利用者の無自覚、法の盲点を突いた運営――そのすべてが「一歩先の違法行為」となっています。
今後は、法の運用だけでなく、社会全体の監視意識と倫理的な拒否反応を育てることが求められます。ギャンブル依存の問題とも関連が深く、教育・医療・福祉と連携した包括的な対応が必要でしょう。
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