「知らなかった」では済まされない未成年雇用の危険性
- 荒井 哲也
- 6月21日
- 読了時間: 3分
ホステス5人のうち4人が18歳未満の少女 24歳の男を風営法違反疑いで逮捕【佐賀県】
ホステス5人のうち4人が18歳未満の少女でした。経営していた佐賀市内の飲食店で18歳未満の少女を雇い接客させたとして、24歳の男が風営法違反の疑いで逮捕されました。 逮捕されたのは、元飲食店経営で佐賀市川副町に住む24歳の男です。
逮捕された男は去年11月、経営する佐賀市内のキャバクラ店で18歳未満の少女に客の接待をさせたとして、風営法違反の疑いが持たれています。 当時店では4人の男性客に対して5人のホステスが接待をしていましたが、うち4人が18歳未満だったということです。
● 18歳未満の少女4人をホステスとして接客に従事させるという事実
これは単なる「雇用問題」ではなく、子どもの人権侵害であり、社会的に極めて重大な違法行為。
仮に本人の同意があっても、法的には無効であり、使用者側の責任は極めて重い。
● 容疑を否認している点
「18歳未満の女の子がいるはずはない」という言い訳は、経営者として雇用・年齢管理の不備を自認しているようなもの。
風営法違反に加えて、児童福祉法・労働基準法違反、さらには場合によっては青少年保護育成条例違反等も併発する恐れ。
【行政書士の立場からのアドバイス】
① 【雇用前の年齢確認・身分確認を徹底せよ】
接客業務に従事させる場合、必ず身分証(運転免許証・保険証+マイナンバーなど)で年齢確認を行うこと。
雇用契約前に 「満18歳以上であること」を誓約書・確認書に記載・保管すること。
身分証のコピー保存は、トラブル時の証拠保全にもつながる(個人情報保護法に基づいた管理も必須)。
② 【就業規則・店内ルールへの年齢規定の明記】
店舗マニュアルや就業規則において「18歳未満の者は一切雇用不可」「接客従事禁止」の条文を明記。
口頭確認だけではなく、書面で雇用契約・同意書・確認書を整備する。
③ 【定期的な年齢確認と在籍名簿の更新を実施】
繁忙期・イベント時などで臨時雇用が発生する場合でも、スタッフの年齢再確認を怠らない。
警察からの立ち入りがあった際に、「年齢確認の管理体制」が示せないと、経営者の責任が重く問われる。
④ 【経営者教育とコンプライアンス指導】
多くの若手経営者や名義貸し業者は、風営法の内容やリスクを十分理解していないことが多い。
行政書士は、許可取得だけでなく「営業開始後の運用指導」「未成年雇用のリスク説明」「警察との関係構築」まで支援可能。
この事件は、風営法の中でも最も厳しく規制されている「18歳未満者の接待業務」を直接的に違反した例であり、許可取消・刑事責任・再許可の禁止といった重い結果に直結します。
「知らなかった」「書類がなかった」は言い訳にならず、結果的に未成年者を保護する社会的信頼を大きく損ねます。
行政書士としては、以下の姿勢が重要です:
「許可の取り方」より「違反を起こさせない管理体制」
経営者への法教育と継続的サポート
書面と記録の整備によるリスクマネジメント
許可を得て営業する以上、「健全営業」は絶対条件であり、それを支える法的インフラを築くのが行政書士の使命です。
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