top of page

「改正風営法施行へ 悪質『売掛金』問題 大阪府警がホストクラブに注意呼びかけ」

  • 荒井 哲也
  • 6月16日
  • 読了時間: 2分

問題の中心:「売掛金(ツケ払い)」の悪質利用

  • ホストクラブにおいて、女性客に「ツケ払い(売掛金)」で高額なサービスを提供。

  • その後、女性が支払い不能に陥ると、風俗店での労働を強要・斡旋するような事例が報告されている。

  • これは実質的に「借金労働」「性的搾取」に近いもので、法的・倫理的に大きな問題。


● 法改正のポイント:2024年6月28日施行の「改正風営法」

  • 売掛金を利用した搾取的行為の禁止。

  • 業界の透明性向上と、店舗側の説明責任の明確化。

  • 強要や暴力的取り立てなどを抑止する目的も含まれる。

● 大阪府警の対応(6月13日夜)

  • 約100店舗に立ち入り。

  • 改正法の内容説明と注意喚起。

  • ホスト業界に「自主的な健全化」を促す動き。


■ 感想・考察

この問題には複雑な社会的背景があり、「風営法」だけでは解決しきれない部分もあります。



◆ 1. 一見してグレーな「商習慣」が、実際は人権侵害に直結していた

売掛金という商習慣は、表面的には“信用”に基づくものですが、実態は借金に近い構造です。しかも、返済不能になったときに風俗業への斡旋が絡んでくると、それは搾取であり、事実上の「経済的囲い込み」になります。これは売買春や人身取引にも通じる非常に重大な問題です。



◆ 2. 当事者意識の薄さと構造的な無関心

記事中のホストクラブ管理者のコメントにあるように、「全体が悪いように見られて心外」という感情は理解できますが、一方で業界内部の自浄作用の弱さも見て取れます。売掛金という仕組みの中で誰かが泣く構造を放置していたなら、「知らなかった」では済まされません。



◆ 3. なぜ女性ばかりが「支払不能」の責任を負わされるのか

そもそもホストクラブは、女性の“感情”や“承認欲求”を巧みに利用し、高額の金銭を動かすビジネスモデルです。売掛金の背景には、そうした依存・執着の心理を意図的に強める“営業テクニック”があることも指摘されています。そこにはジェンダー的な不均衡や、社会的な脆弱層への搾取が存在していると考えるべきです。



■ 今後の対策と期待される変化

対策

内容

法的規制

改正風営法により、売掛金や斡旋行為の禁止が明文化。罰則適用も可能に。

行政の監視強化

定期的な立ち入り・届出制度の厳格化。新規営業許可の審査も強化される見込み。

業界団体の整備

ホストクラブ業界内での倫理規範、ガイドライン、顧客保護の枠組みが必要。

女性支援の充実

借金・売掛に悩む女性への相談窓口拡充。NPOや弁護士会との連携強化。



Kommentare


bottom of page