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「不起訴=合法」ではない。営業実態・証拠の立証がカギ

  • 荒井 哲也
  • 6月16日
  • 読了時間: 3分

営業禁止区域で性的サービス、風営法違反疑いの中国籍女性3人不起訴


京都地検は9日までに、京都市右京区の性風俗営業禁止区域で性的サービスを行ったとして、風営法違反の疑いで逮捕された個室マッサージ店経営者(47)ら中国籍の女性3人をいずれも不起訴処分にした。2日付。処分の理由は明らかにしていない。



まず、不起訴になったからといって「法的に問題がなかった」とは限りません。今回は、


  • 証拠不十分

  • 客の供述の不一致

  • 実際に「接待」や「性的サービス」が立証できなかった

  • 捜査の手続きに瑕疵があった

などの理由が推測されます(※京都地検は理由を公表していない)。


風営法の違反があったとしても、裁判で立証できるだけの証拠がなければ不起訴や無罪になることはよくあります。特に、個室マッサージ店のように営業内容が外から見えづらい業態は、摘発・立証が難しいケースも多いです。


①【「営業禁止区域」は絶対遵守。行政地図の確認はマスト】

  • 京都市のように地域によっては「住宅街」「文教地区」など、風俗営業そのものが禁じられている区域があります。

  • これは「接待営業」だけでなく、性的サービスを伴うマッサージ店やリラクゼーションサロンも対象になることがあります。

  • 店舗を開設する前に、必ず管轄の警察署・公安委員会・都市計画課で「用途地域」「禁止区域」の確認を行うことが重要です。


    ■ 店舗契約前に「用途地域・営業可能性チェック」

    ■ 行政書士が間に入って、事前調査や警察との協議を行うべき



②【「マッサージ店」や「リラクゼーション」の名を借りた“偽装風俗”は極めてリスクが高い】


  • 看板上は「整体」「アロマ」「オイルリンパ」などと名乗りながら、実際には性的サービスを行っている店舗が全国で多数存在します。

  • しかしこのような営業実態は、風営法および売春防止法違反で摘発の対象になります。

  • 特に、性的サービスが警察や客によって「繰り返し確認」されていた場合、立件されやすくなります


③【外国人経営者や従業員の場合、在留資格にも要注意】


  • 今回のように中国籍の女性が経営・従事していたケースでは、「在留資格の範囲内で働いているか」が重要なチェックポイントです。

  • 「技術・人文知識・国際業務」「経営・管理」などの資格では、性的サービスの提供や風俗営業には従事できません。

  • 仮に違反が認定されれば、風営法違反とは別に「入管法違反(資格外活動)」で強制退去処分を受ける可能性もあります


    ■ 外国人を雇う場合は「在留カード」「活動内容」を必ずチェック

    ■ 店舗営業内容が在留資格に適合しているか行政書士が確認


④【不起訴になった事例も「黒寄りのグレー」は営業停止や監視強化の対象に】

  • 今回は不起訴とはいえ、警察の捜査対象になった時点で「要注意店」としてマークされるのは間違いありません。

  • 今後の営業で同様の疑いが生じれば、再度の摘発や風俗営業許可取り消し、店舗閉鎖処分に至る可能性もあります。

「名目」ではなく「実態」で判断される。行政書士は事前確認と予防法務の担い手


■ 個室マッサージ店でも「性的サービス」「接待」があれば風営法・売春防止法の対象

■ 営業区域の確認は行政書士の基本業務

■ 外国人の在留資格・活動内容も細かく確認を

■ 不起訴になっても「合法営業」とは限らず、再摘発のリスクは残る


行政書士として、営業を始める段階から「違法・グレーゾーンにならないか?」をチェックし、警察との協議も含めて許可・届出・指導対応まで一貫して行うことが、依頼者を守る最大の貢献になります。



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